第9回 総会を開催
一般社団法人 日本建設組合連合
date:2018/07/14
第9回 総会
平成30年7月14日(土)午後2時45分より、ロワジールホテル那覇(那覇市西3-2-1)において、一般社団法人日本建設組合連合の第9回総会が開催されました。
総会には、黒島一生会長を始めとする執行部役員の他、全国の会員組合より組合関係者が多数出席し、平成29年度における事業報告及び収支決算報告等が審議されました。
会議の冒頭、黒島会長は、以下の通り挨拶されました。
「近年、自然災害の猛威に晒されておりますが、本年も6月に発生した大阪北部地震により、死者、怪我人が多数出ており、水道の断水や鉄道各社の運休等、ライフラインにも支障が発生しました。今月に入って、台風7号に伴う暴風及び豪雨災害が、列島各地で広範に多数の爪痕を残しています。我が国におけるインフラ整備が、自然災害の脅威に対しては、甚だ脆弱であるという現状を突き付けられております。この度の災害で、不幸にして亡くなられた方々に、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様方には、心からお見舞いを申し上げます。
創立50周年記念事業につきましては、本年11月に記念式典の開催を予定しております。これまでに周年事業実行委員会等を中心として、着々と準備が進められておりますが、開催を愈々4ヶ月後に控え、成功裡に成し遂げられますよう、更に尽力をして参る所存であります。
振り返りますと、一昨年7月に法人化後、最初の役員改選を経て、現執行部体制が発足して以降、丁度2ヵ年が経過します。昨年度においては、建設業従事者が事業を廃止した後の更なる福利向上を図るために、(独)中小企業基盤整備機構の小規模企業共済の業務委託団体として、組合員の方々の労働環境の一層の充実を図る新たな取り組みを開始致しました。これからも建設業に携わる皆様方が、安心して就業できるよう、労働環境及び福利厚生環境の益々の充実、整備を図る諸事業を推進して参る所存であります。」
引き続き、審議事項へと移り、「平成29年度事業報告」、「平成29年度収支決算報告」、「平成29年度監査報告」、「平成29年度一般会計収支剰余金処分」、「役員改選」についての議案が審議され、何れも原案通り可決承認されました。
第9回 通常総会にて新役員を選任
第9回総会に於いて、全国の各ブロックから選出された理事12名及び監事2名が選任されました。この度決定した新役員の任期は、平成30年7月から平成32年7月に開催される通常総会終結の時までの2年間となっています。
会 長 黒島 一生 (建設連合・宮城県建設組合)
副 会 長 赤川 令一 (建設連合・千葉県建設組合)
副 会 長 菅 幸直 (建設連合・大分建設組合)
専務理事 椎屋 令子 (建設連合・兵庫県建設組合)
理 事 鎌田 克彦 (建設連合 旭川地方建設組合)
理 事 牧野 泰蔵 (岐阜県建築組合連合会)
理 事 中谷 宏嗣 (建設連合・富山県建設組合)
理 事 菅野 仁司 (建設連合・京都府建設組合)
理 事 鶴田 隆 (大阪府建設組合)
理 事 桝田 慶太 (建設連合・広島県建設組合)
理 事 平井 孝治 (建設連合 香川県厚生協会)
理 事 石井 隆裕 (建設連合・福岡県建設組合)
監 事 生川 昌毅 (建設連合 三重県建設組合)
監 事 松末 一晃 (建設連合・石川県建設組合)
(順不同)
平成29年度 事業報告(概要)
中小零細建設業者、一人親方及び建設職人等の経済的、社会的地位と技術向上を目指し、全国的な運動を展開するための推進母体として、労働者で組織された「日本建設労働組合会議」と業者団体で組織された「日本建設産業協会」を統合、更に何れにも未加入の業者組合を糾合して、昭和43年11月12日に「日本建設組合連合」が誕生し、平成30年に創立50周年の大きな節目を迎える。
日雇健康保険の擬制適用廃止を受けて、昭和45年7月10日、組合員の福利厚生の改善のため、国民健康保険法による公法人の「建設連合国民健康保険組合」の認可を受けて設立。更に、充実した老後の生活設計を図るものとして、国民年金法の改正に伴い、国民年金の上乗せ年金として、平成4年6月29日、厚生労働大臣認可を得て、「日本建築業国民年金基金」を設立した。
平成26年度には、長年に亘って検討を重ねてきた法人化が実現し、一般社団法人として新たな歩みを踏み出したが、組合員の更なる福利向上を図るために、(独)中小企業基盤整備機構の担当部署と折衝し、小規模企業共済の業務委託団体契約締結の承認を受けて、平成29年度から所属する組合員の退職・廃業後の生活の安定を図るための新たな取組みを開始した。
建設産業は、建築物の整備及びそれらの日常的なメンテナンス、耐震化等の防災・減災対策等を通して、安心して生活できる環境の確保に寄与し、大規模災害発生時に於ける応急復旧及び復興工事等、防災対策面での重要な役割を果たしている。
国内建設市場の動向を概観すると、建設投資については、ピーク時の平成4年度は約84兆円であったが、平成22年度には約42兆円と半分以下にまで落ち込み、その後、東日本大震災の復興需要や民間投資の回復等により、多少増加傾向に転じている。建設業に於いては、就労者数及び建設技術者数が大幅に減少し、技術者数については全産業中で若年層の割合が少なく、高齢者の割合が比較的高くなっており、3年離職率では全産業の中で建設業が最も高い値を示している。
今後、少子化が更に加速化していく状況下、若年層の入職が重要課題であり、建設技能労働者及び建設技術者の労働時間及び処遇改善等の諸課題に取組み、会員組合に所属する組合員の生活の安定と福利厚生面での一層の向上を図り、建設業従事者が安心して働ける労働環境の一層の充実整備を図る諸事業を更に推進していかねばならない。
<事業実施状況>
○(独)中小企業基盤整備機構「小規模企業共済」への取組み
会員組合に所属する個人事業主及び一人親方等の組合員の一層の老後の生活の安定を図ることを目的として、平成29年度より小規模企業共済の業務委託団体として新たに取組みを開始した。業務取扱い開始時には加入推進キャンペーンを実施し、中小機構から支払われる業務委託手数料等を含めて、加入奨励金を当該会員組合の口座に振込みを行った。
○労災上積み補償制度等への取組み
一人親方や中小事業主の特別加入及び労災上積み補償制度への加入を促進し、会員組合に所属する組合員の労働環境の更なる福利向上を図る。業務災害及び通勤災害を補償しており、入院見舞金制度、死亡・障害災害付帯費用給付金制度等が充実。期の途中でも加入が可能。事業所加入の場合には、経営事項審査制度の加点対象となる。
○「子育て推進」援助制度
建設業就業者数は、中長期的には減少傾向にあり、人口減少や少子化、高齢化に伴って、将来的な生産年齢人口の減少は避けられず、建設産業に於いても担い手の確保と育成は喫緊の課題となっている。小中学校に就学する児童・生徒を持つ組合員世帯の経済的負担を軽減し、支援するための施策の一環として、就学支度制度を実施。
○各種講習会等開催補助
建設業に於ける労働災害の発生は、死亡災害、死傷災害ともに前年を上回り、特に死亡災害が大幅に増加した。労災防止対策への取組みを推進するための労働安全衛生講習会及び組合員の一層の技能向上等に資することを目的とした作業主任者講習会を実施した会員組合に対し、各々申請により開催補助を行っている。補助金については、各講習会への参加者の要素も加味して交付。
○第19回建設連合海外視察団派遣
建設視察団の派遣は、諸外国の建築物等の視察に止まらず、全国からの参加者との交流を深め、より緊密な組織内連帯の構築を目的として実施。日本建築業国民年金基金の設立25周年を記念して参加費用の補助を行い、黒島会長を団長として、米国西海岸の雄大な自然と都市の魅力を満喫できるサンフランシスコ、ロサンゼルスを中心に視察した。
○法人登記調査
会員組合に於ける国保組合支部業務の適正な運営を主導し、国保加入資格適用の一層の厳格化を図るために、国保加入希望者が属する事業所に係る法人登記の有無について、第三者としての立場から本部事務局に於いて必要な調査を実施。この調査は、会員組合(支部)に於ける資格適用の確認行為を補佐することにより、国保加入資格の「適用の適正化」に関する徹底・強化を図ることを目的としている。
○医療費抑制事業
建設連合国民健康保険組合の保健事業であるインフルエンザ予防接種補助金制度の活用と併せて、医療費抑制及び組合員世帯への健康管理推進の取組みの一環として実施している。組合員世帯のニーズに対応し、従来型のマスクと併せて小型の女性用マスクの二種を配布。
○住宅保証機構「まもりすまい保険」特定取次店業務
特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の施行に伴い、新築住宅については、建設業者等に対して保険加入等による資力確保措置が義務付けられたことに対応し、国土交通大臣指定住宅瑕疵担保責任保険法人である住宅保証機構が取扱う「まもりすまい保険」の特定取次業務を平成21年度より実施。
○その他の活動
平成28年熊本地震への対応
平成28年4月に発生した熊本県を中心に発生した地震により、甚大な被害がもたらされた。平成29年度に於いても災害見舞金を交付。また建設連合国民健康保険組合に於いて保険料免除を実施したことを受けて、災害支援金規程に基づき、熊本県建設組合に対して災害支援金を拠出。
平成29年台風第18号への対応
平成29年9月に発生した台風第18号により被害を受けた、大分建設組合の組合員より家屋損壊の申請があり、災害見舞金を交付。